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ほしとたいようの診察室

第5章 プリンを作ろう



「えー、どうしたの。どこかつらい?」


そんなわたしをよそに、蒼音くんは心配そうに布団を覗き込む。


「……ぜんぶ」




涙で目もパンパン、ぐしゃぐしゃの目元も見られたけれど、不思議と嫌ではなかった。



「あーらら……そんなに泣いて。つらかったんだね」



蒼音くんがベッドサイドのパイプ椅子に腰掛けて、涙を拭いてくれた。






……もう今日は、誰かに涙を拭かれてばかりだった。





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