ほしとたいようの診察室
第5章 プリンを作ろう
「のんちゃん、胸の音も聴かせて」
「えっ」
……いま、心臓やばいんじゃない?!
「吹田先生の言いつけ。はい、すぐ終わるから」
言いつつ、病衣の隙間から、聴診器を当てる。
すっと、陽太先生の顔に真剣さが宿った。
「吸って」
言うこと聞かずにはいられず、大人しく言われた通りにぎこちなく息をする。
「吐いて」
「ん。いいかな。ちょっと雑音あるけど、明日から吸入頑張ってもらうしね」
「え、なんですかそれ」
聞いてなかったことが飛び出して思わず目を丸くする。
「あれ、聞いてなかった? ネブライザー、煙吸うやつだよ。まあ明日の午後、俺が迎えにくるから。心配いらないさ」
……あれ、前もやったけど……苦しいんだよね……。
でも……明日も陽太先生だったら、頑張れるかも……。
「うん……」
「そしたら、ご飯食べようか」