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ほしとたいようの診察室

第6章 回想、はじめまして



優先生の子どもに対する観察は、事細かであった。


カルテには載らない、子どもの話した言葉や好きなもの、好きなこと、いつもどこにいて、今日はいつもよりどう違うのかを詳細に把握している。


「入院の子たちに関しては、『いつものその子』を聞いておく。自分では見切れないところもあるから、ナースの言葉や記録を読んで、なるべく情報を自分のものにしておいて。時間があるなら、直接子どもと話すのだって良い。子どもは、『よく知ってくれる人』に心を開く。心の開き具合は、治療のやりやすさにも関係してくるからな」




なるほど……



「陽太先生はわりと、そういうことはできてる方だと思うが」



「いえ! 精進します」





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