
ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
お散歩は、あえなく中止である。
「お部屋入って、消毒しよう。歩ける?」
「……いたいから、あるけない」
と、のんちゃんは意気消沈である。
めそめそとしょぼくれてしまっていた。
歩けるのかもしれないけれど、気持ちが折れてしまったようだ。
「じゃあ、仕方ないなぁ……」
のんちゃんの頭に花冠をのせ直すと……
お姫様抱っこをした。
のんちゃんが驚いたような表情をして、泣くのをやめた。
「ほら、行くよ。お姫様」
病室まで駆け足。
のんちゃんがくれたシロツメクサの指輪を落とさないようにしながら、走り出す。
照れくさそうな嬉しそうな、しかし涙目の……そんな表情ののんちゃんをお姫様抱っこして、病室へと急いで戻った。
……
