
ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
「ようたせんせい」
「ん? なに?」
絵本の読みきかせも終わり、もう就寝となる時間。
とんとんするのは、変わらずだった。
お腹の辺りを優しく撫でながら、相槌を打つ。
のんちゃんは何かを決したように、大きく息を吸って、話し始めた。
「のんちゃん、おおきくなったら、ようたせんせいのおよめさんになりたい」
無邪気な一言に、ふっと笑顔になる。
「そっか……お嫁さん。よくそんな言葉を知ってるね」
撫でながら、ふと、のんちゃんの表情を見ると、とても真剣な顔をしていた。
