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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く





それからその人は、点滴を調節していた手を止めて、わたしが起きたことに気づく。




「あ、起こしちゃった? ごめんね」




キリンのように背の高いその人は、少しだけ屈むとわたしの顔を覗き込んだ。






「……わっ……大海先生……」



体が瞬時に臨戦体制に入るのがわかる。

入院初日のことが、ほとんどトラウマのようになっている。本能で、大海先生を警戒している気がする。


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