ほしとたいようの診察室
第9章 ひとときの外出
笑ってみるけれど、陽太先生はわたしの隣から動かない。
動き出したと思えば、お箸とお皿を持って、わたしの隣に座り直す。
ふんわりといつもの柔軟剤の香りが届く、そのわずかな距離に陽太先生がいる。
「……もう。心配で目が離せない。手の届くところにいて。」
少し怒ったようなその声と表情。しかしその裏で、ほんのり甘い言葉が続いたことに、わたしは耳が真っ赤になる。
「……はい」
沈黙が訪れる。
それは、決して重くない。
唐揚げをもぐもぐと口にしながら、隣に正座した、すっと伸びた背筋をこっそりと盗み見る。
凛とした横顔は、いつものように笑顔になる。
「のんちゃんはやっぱり、料理が上手だね」
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