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ほしとたいようの診察室

第9章 ひとときの外出





やがて、わたしの隣に陽太先生が戻ってきた。



ゆっくりと座る。わたしの方を向いて。
真っ直ぐな瞳の中に、俯いたわたしが、きっと映っている。



わたしの手は震えていた。
小さく、わからないくらいに。

触れたいと思う割には役に立たない手だった。

火傷の傷が思い出したように熱を持ち痛む。
陽太先生が手当して、巻いてくれた包帯。


その白が、歪んだ。



不意に、温もりを感じた。
いつもの体温が、優しく右手を包む。

しかし今日は、その体温が怖い。




陽太先生が何を考えて、何を見て、何を感じてわたしに触れているのか……わたしには想像がつかなかったから。





やがて、空気が震える。


それは、陽太先生から出た言葉だった。












「……なんで、先に言うの。困ったな」









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