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土竜と猫の憂鬱

第1章 普遍的なもの。

腹が減った、そう言いながらベッドの上でゴロゴロしていると、土竜が言った。

「枝豆のピューレは好きですか?」

「ピューレ?なんだそれ・・。」

「猫さんは、女の子とイタ飯屋とか行った事無いんですか?或いは男の人とは?野菜や、果物をすり潰して、濾した物をピューレと言うんですよ・・。」

土竜は俺を小馬鹿にした、眼鏡越しの一重瞼の眼がより細くなった気がした。

俺は、「知らん」とだけ返事して、メンソールの煙草に火を点ける。土竜が少しだけ咽せた。

「そうなんですか、そんな女受けしそうなルックスとスタイル、洋服で、女の子をイタ飯屋に連れてった事も無いんですね。」

土竜はまたしても、俺を小馬鹿にしたのか褒めたのか分からない台詞を吐いた。

俺は面倒になって、無視をした。紫煙をくゆらしていたら、土竜が華奢な白い手を伸ばして、俺の背中を撫でた。

「豚肉と枝豆があったので、豚肉を焼いて、枝豆のピューレをかけてみようと思います。どうです?」

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