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土竜と猫の憂鬱

第1章 普遍的なもの。

俺と土竜が、ルームシェアを初めたのは二ヶ月前になる。
元々はオンラインゲームのチャットで知り合い、なんとなく意気投合してって、ありきたりなパターン。

ハンドルネームは土竜、性別は女で登録されていた。土竜から、会って話してみます?って初め言ってきたんだよな。写真を交換もしてないのに。
待ち合わせ場所は日曜日の13時にスタバ、朝の天気予報では晴天だったんだけど、何故か曇天に変わる、黒い雲が空を覆ったら、途端に土砂降りになった。行き交う人々の落胆の声がザワザワと耳に入ってくる。
俺はコンビニでビニール傘を購入した。
13時、5分前にスタバに着いて喫煙席に座ってると、土竜からメッセージが届く。

そろそろで着きます。

メッセージからして律儀な感じの女だと思った。

けど、俺の目の前に現れたのは、ヒョロヒョロの色白の、天然パーマで、スクエア眼鏡を付けて、リュックを背負った、 

男だった。
メンソールの煙草がチリチリと灰になっていく。

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