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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 66 ゆかりと大原本部長(28)

 だが…
 少し自虐的な想いも感じていたのだ。

 それは…
 今回の帰省してからの自分の、再びのモテ気と云わざるを得ない程の五日間の女関係と…
 銀座のホステスであり、自分自身を好いてくれている松下律子との、いや、変化してきている彼女への想いとの比喩からの自虐であった。

 確かにこれからは尖って来る者は拒まずで生きて行く…
 そう決めたのだが、ヤればヤるなりに罪悪感が積もっていく自覚があり、それを無理矢理心の奥深くへとしまい込む自分も感じているのだ。

 だからそんな自分が無意識に
『一緒に住むか?…』
 なんて…自虐的しかない。

「あん、や、ん、はぁぁん…」

 ピチャ、ピチャ、ピチャ…

 そんなことを想いながら舐めていた…

「や、こ、こう…い…ちさぁん…」
 かなりゆかりは感極まっているのだろう…
 小さく震え、しっとりと汗を滲ませ、喘ぎを漏らしてくる。
 奥からは泉の如くに、甘い、愛の蜜が溢れてきていた。

「まだ、イッちゃダメだぞ」
 私はそう囁く。

「はぁん、あ、や、そ、そんなぁ」
 ゆかりは愉悦に震えながら、喜悦の喘ぎをする。

 そしてまた再び…

『一緒に住むか?…』
 その言葉が脳裏を巡ってきていた。

 きっと罪悪感がそう云わせたのだろな…

 そしてその罪悪感がゆかりと住むという選択肢を選んだのかもしれないなぁ…

 それにその選択肢は…

 自身の心の弱さでもあるかもしれない…

 ピチャ、ピチャ、ピチャ…

「あん、や、ん、はぁぁん…」
 
 私は舐めながら、そう考えていた。

 だけど…

 確かに、ゆかりの言う通りに今は時期尚早かもしれない…

 そして、まだ、私自身は丸くなる訳にもいかないんだ…

『そうだ、松本副社長とも話してるんだが、もしかしたらアッチの保険会社の常務になってもらう事になるかもだから』

 不意に、今日の夕方に掛かってきた山崎専務からの電話での会話が脳裏に浮かんできた。

 常務になるかも…

 連休明けに、告発する常務の、空白になるポストを…

 私がなる…

 それは超スピード出世であり…

 また、新たな敵、ライバルをも沢山作る…
 と、いう事にもなるのだ。

 もっと、もっと、尖っていかなくちゃ…
 いつ足元をすくわれる、か、分からない。



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