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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 69 ゆかりと大原本部長(31)

「…………んん…っは………」

 わたしはあまりの絶頂感に意識を翔ばしてしまい寝落ちしてしまったようであった…

「……んん…ぁぁ……ぅ…」
 そして隣を見ると彼が寝ている。

 ふと、枕元の時計確認すると…
 午前2時を過ぎた辺りであった。

 確か二人で久しぶりのテレビを観ていてからの抱擁であったから逆算すると、約4時間も寝落ちしていたみたいだ。

 彼を起こさないように静かにベッドから起き上がり、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してひと息つく。

 彼の冷蔵庫の中も、ほぼ飲み物類しか無い…
 だがそれはわたしの家の冷蔵庫とは意味が違う。

 わたしはほぼ全く料理が出来ないから冷蔵庫は飲み物類以外が無いのだが…
 彼の場合は料理は少しは出来るのだが、忙しくて作る時間が無いから飲み物類しか無いのである。

 そんなことを考えながらキッチンからリビングの窓のカーテンを開き、外の夜景を眺める。

 ここは住宅街といえる世田谷区の三軒茶屋エリアだ、だから外の夜景も高層ビル等よりは住宅街の夜景がメインである…
 しかしこの部屋は20階だから遥か南東から南にかけての遠くには、副都心の高層ビル群の灯りが見える。

 ウチの夜景とはかなり違う…
 そして美冴さんが初めてわたしのマンションを訪れ、外の夜景を見て、感嘆の声を上げたのを思い出してきた。

『うわぁ、素敵な羽田のベイエリア…』

『ゆかりさんはもう見慣れちゃっているからぁ…』
 確かに、ウチの夜景とは完全に趣きも違う。

 なんか、この住宅街の灯りが、すごく心を和ませてくる…

『一緒に住むか…』
 ふと、突然、さっきの彼の…
 思いもしなかった言葉が浮かんできた。

 一緒に住むならどっちのマンションがいいのかしら…
 ふと、わたしはそう思う。

 ウチは3LDK…

 このマンションは2LDK…

 二人で住むならどっちが?…

「ふ…」
 すると、突然、無意識に笑みがこぼれる。

 まさか、このわたしがそんな事を考えるなんて…

 本当にわたしは変わったんだ…

 普通の…

 フツーの…

 女に近づいてきたのだ。

 あの過去の『黒歴史の姫』から…

『鉄の女』になり…

 そして、普通の、フツーの女に…

 変わりつつあるのかもしれない…



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