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シャイニーストッキング

第3章 絡まるストッキング2 美冴

 49 過去の告白

「………………という事なの…」

 わたしはシャワールームから出て、軽く身支度を整えてから少し気持ちを落ち着かせ、心の整理をして健太に向かう。
 そして離婚してからの沢村ゆうじという最愛の男の存在との出会いから、その突然の死までの簡単な経緯の話しをした。
 そしてそれからつい先週末までの、その彼の死からの『黒い女』というゆうじの死に対しての喪に服すという事を自分に課して、それを表すという意味での生き方、それにより全ての希望や、欲望等を抑制してきて生きてきた事等を、簡単に、すごく簡単に健太に話しをしたのだ。

「………………」
 健太はそんなわたしの突然の激白ともいえる過去からの話しを聞いて、愕然とした表情を見せ、そして言葉を亡くしているようであった。

 先週末の大原本部長とのきっかけの秘め事は勿論秘密にして、突然覚醒した事にはしたのだが、そのあまりにも突然の覚醒により、どうやら自律神経の抑揚の抑制のコントロールができなくなってしまっている事まで説明をしたのだ。

「…だ、だから……」
 ようやく健太が口を開いた。

「だから…さっきの…あのレストランでの…突然の欲情なんですね…」
 わたしは健太の目を見つめながら黙って頷く。

「そうか…、しかし、そんなことが…」
 そう呟きながら、ホテル備え付けのミネラルウォーターをゴクリと飲む。

「なぜか、ああなっちゃうの…
 ああなっちゃうともう抑え切れなくなっちゃうのよ…」
 でも、健太と一緒にいたから、貴方がいたから…
 わたしはそう言うとなぜか涙が突然こみ上げてきたのである。

「ああなっちゃうと…」
 抱かれるか、自ら慰めるかしないとダメみたいなの…

「………」

「まるで変態の…
 淫乱の…
 色情狂…みたいだよね…」
 ここでわたしは一気に嗚咽をしてしまう。
 
「ひんっ、ひっ、ひっ…」

「み、美冴さん…」
 そんなわたしの突然の嗚咽と涙を見て健太は慌てる。

「け、健太…
 あ、貴方がいたから…
 貴方と一緒だったから…
 安心できたの…甘えたの…」
 なんとか嗚咽をしながらもそこまで必死に言葉を繋いだ。

 そして涙が止まらず、次から次へと溢れ落ちてくる…





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