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シャイニーストッキング

第4章 絡まるストッキング3 大原本部長と佐々木ゆかり部長

 2 お盆休みの予定

 ヤバい、なんかドキンとしてしまう…
 本当に丸くなった…
 心からそう感じたのだ。

 そしてゆかりは更に私の手を握り、指を絡めてきたのである。

「土曜日には…あの…終わるんです…」
 
 あ、そういうことか…

 ゆかりは今、生理中なのである。
 そして土曜日には終わる…
 という事を云ってきたのである。

「うん、そうか、お盆休みだな…」
 今回のお盆休みは9連休であった。

「はい…」
「私は二日間だけ実家に帰るんだが、後は空いてるぞ」
「ええっ、そうなんですか」
 パッと急に明るい顔に変わる。

 私は栃木県の一番南の県内では二番目の大きな市の出身なのである、普通電車でも1時間半、新幹線なら40分で行ける距離なのだ。
 だから日帰りでも余裕なのだが今回は父親の10回忌なのである、なんせ田舎だから日帰りという訳には行かないのだ、とりあえず一泊を予定していたのである。
 それに実家は弟夫婦が後を継いでおり、母親の面倒も見てくれている、全くの知らん顔は出来ないのであった。
 たが、正月に関しては溯る事約4年は、つまりは離婚してからは帰省はしてなかったのである。

「ああ、お盆休みだから、さすがに山崎専務も誘ってはこないだろう、まあ、あってもゴルフの一日位なんじゃないのかなぁ…」

「わ、わたしは…わたしは全部空いてますから…」
 ゆかりは東京生まれの育ちだから、そして実家も都内だし、帰省というモノはないのは知っている。

「予定ないのか…」
 コクンと頷く。
 確か去年のお盆休みはスキューバダイビングに、海外のどこかに出掛けていたはずだった。

「はい、今年は仕事が忙しくなりそうだったから何も予定入れなかったんです…」
 確かに忙しい予定ではある。
 さすがに『新規事業プロジェクト』はお盆休みは動かないが、従来のコールセンター部は無休だし、それに『新規業務案件』はさすがにテレビ局報道部相手なので、お盆休み中の二日間だけ打ち合わせで動く事になっていたのである。

「そうか…」
 じゃあそれ以外はゆっくりできるな…
 その想いを目で語る。
 と、ゆかりにも伝わったようで、ニコリと笑ったのだ。
 そしてギュッと手を握ってきたのであった。

 するとタクシーは本社に到着した…






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