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第3章 中学2年

僕は、合宿の準備のため、部活から配布された持ち物のリストを見ながらバッグにいろいろ詰めていたが、こういうことは非常に苦手で、これでは入りきらないと思い、1度バッグに詰めた物をもう1回出して、やり直していた。

母親は、中学までは、色々と世話を妬いて、こういうこともやってくれたが、高校生になると、「自分でしなさいと!」と言われた。

母親からすると、教育の一貫というのもあれば、自分の仕事や家事が忙しいこと、あと、僕が母親の言うことを聞かなかったりで、もう投げやりになっている可能性もあった。

なので、自分でやって、母親は、一応チェックの意味で、「忘れ物ない?もう1回確認した?」と決まり文句を言うのだった。

それはそれで、自分のことは自分で責任を持つという習慣がついて良かったとは思う。

ただ、その頃は、母親が世話を妬かなくなった分、2階にお互い部屋があることもあり、妹が世話を妬くこともあった。

妹は、風呂から出て、また僕の部屋に来た。

「まだやってるの?」

と言って、僕がその辺に置いている荷物を見た。

「1回入れたんだけど、なんかうまく入らなくて……。」

と僕が言うと、妹は、

「私がやってあげるよ!」

と言った。

僕は、妹の服装を見て、ちょっと不思議に思った。いつもは風呂から出るとパジャマなのに、今は、Tシャツにショートパンツだからだ。

「風呂に入ったんじゃないの?」

と僕が言うと、

「入ったよ!」

と妹が言うので、僕が、

「パジャマじゃないじゃん!」

と言うと、妹が、

「これ、この前買ってきたんだ~。ショートパンツは前から持ってたんだけど、Tシャツはこの前買った物。どう似合う?」

と言う。でも、僕からすると、Tシャツは、似合うとかじゃなく、本人の好みの問題じゃないかな?って思っていた。だから、

「いいんじゃない?」

と言った。妹は、もっと僕が誉めると思っていたらしい。若干、テンション下がったみたいだ。

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