でも、猫系彼氏に振り回されたい
第2章 写真には残さない
「湊くん、軽くてちっちゃいねえ。俺のご飯が少ないみたいじゃん」
撫でれば骨格がわかるような、骨ばった背中をさすってみる。
「んん…パンケーキだけ作ってくれたら、すぐ太ると思うんだけど」
湊は俺の肩に顔を乗せたまま、また可愛くないこと言う。まあ、俺にとってはとんでもなく可愛いんだけど。
「ダメな子だねえ」
髪を撫で回すと、かわいい耳があらわになった。
湊は、耳が弱い。
試しにカプっと噛んでみる。
「ちょっ…と、だめ…!」
脱力していた湊の体が強張って、俺の肩を掴む力がぐっと強くなった。
「耳、そんなに好きなの?」
今度は、舌を沿わせる。
「ねえ…ほんとにっ…だめ…なんだっ…てぇ」
泣きそうな声で懇願している。顔が見たいのに、見れなくて、すこしもどかしい。