
でも、猫系彼氏に振り回されたい
第4章 天使と猫のハーフ
それから数日間、いつ湊さんが来るのかソワソワしながら喫茶店で働いた。
でも、彼は1週間経ってもこなくて、連絡もちゃんと返ってこないから、追ってメッセージを送ることもできないでいる。
「諦めろってことなんかねえ」
散らかった一人暮らしの部屋で、大きな声で独り言を言うクセがついた。
「まあ、仕方ないか。飲みの席で出会っただけだしなあ」
でも、可愛いひとだったな。
どうせもう会えないのなら、写真くらい撮っておけばよかった。
いや、何も残らないから、諦めがつくのか。
あと1週間。それで何もなかったら、諦めよう。
「今日も働くかあ」
いつ湊さんがきてもいいように、少し髪をセットして、人に見られてもいいような服装にする。
俺は乙女な男だ。
