
でも、猫系彼氏に振り回されたい
第4章 天使と猫のハーフ
天使くんこと湊さんは、意外にも親しみやすいタイプだった。俺の言葉に一喜一憂して、表情をコロコロ変える。どうも、猫みたいなところがあるらしい。
天使と猫。なんとも可愛らしく、美しく、そして高貴だ。俺のものになんねえかな〜なんて思ったりしては、期待しすぎるなよ、と自分を戒める。
結局、同じ駅の近辺に住んでいることや、仕事や趣味の話で大盛り上がりした。
女子グループと合流して、解散の時間。
「なんか、変な感じですよね!凌さんと飲むつもりだったのに、男女に分かれてるし、また飲みましょ〜ね!」
女子大生はすこし酔って、声が大きくなっている。
「そうだね。また、リベンジしよっか」
「じゃあ、私たち女子は駅の方なんで」
「僕たちは、ここに住んでるので」
湊さんが、ひょいっと俺の横に立つ。横に並ぶと、思ったより小さい。今すぐ抱きしめたくなりそうなくらい。
「じゃあ、またー!」
駅の方に歩いて行く3人に、2人で手を振る。天使が、俺の横にいる。
