
でも、猫系彼氏に振り回されたい
第4章 天使と猫のハーフ
「凌くんってさ、もしかして、男が好き?」
湊さんが口を開いたとき、背筋に寒気がした。いざ、そう言われると、これは遠ざけられる合図なのか、受け入れられる合図なのかわからなくて。
「やっぱ、バレました?」
軽めに返しておく。傷つかないために。
「うん、バレバレ。俺のこと、かわい〜とかいうの、へんだもん。あと、俺も、凌くんのことかっこいいって思ったんだけど」
恐る恐る湊さんのほうをみると、耳を真っ赤にしながら俯いて話している。
「今聞かなかったら、ずっと聞けない気がして、ごめん」
「その…えっと…湊さんは、男が…」
「好きだよ…!」
ちょっと投げやりにいうの、可愛すぎる…。
胸がギューっと締め付けられる。
でもこれは、どういうことだ。
たった数時間話しただけで、天使のような男の子とこんなことに、なれるのか?
「凌くんち、どこ。俺もう、この空気耐えれないんだけど…」
泣きそうな顔をしながら、こっちを見つめてくる。
「えっと、それって、湊さんが俺のこと気に入ってくれてるってこと?」
「そういうこと!」
頬を膨らませて怒る顔が、まるまるとふわふわな毛に覆われた猫みたいで、世界一かわいい。
