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短編集 一区間のラブストーリー

第3章 短編その三


「なあ、来週さあ、海に行かない?」

真一は思いきってクラスメートの
香織を海水浴に誘ってみた。

「それってデートのお誘い?」

いや、そういうのじゃないんだけどさ…
真一は言葉を濁した。

クラスで席が隣同士の二人だが
学校以外で二人っきりで会った事がなかった。

初デートでいきなり水着姿を見るというのは
図々しいとは思ったが、なにせこの猛暑だ。

街中を汗だくで歩くよりも
水遊びする方が楽しいに決まっている。

「そうね…夏休みになったら
当分真一くんとも会えないし…別にいいわよ」

案外と簡単に快諾を得ることができた。




『きゃ~、デートに誘われちゃった♪
真一くん、デートとかそんなんじゃなくて
暑いから海に行きたくなっただけなんて言ってるけど、
これってデートよね♪』

放課後、
香織はイソイソと水着を買いに出かけた。

スクール水着は持っているけど、
お腹の部分に
大きなゼッケンを縫い付けてあるし、
海水浴でスクール水着なんてダサいわよね…

香織は思いきってビキニを購入した。

カラフルなビキニが多く展示されていたが
香織は白のビキニを選んだ。

幼い頃から白いビキニに憧れていたのだ。


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