短編集 一区間のラブストーリー
第5章 短編その五
こうなると私の手の動きも大胆になっていきます。
人差し指を立てて、彼女のヒップの谷閒を何度も上下に攻めました。
指がアナル付近を通過する度に体をビクンと震わせ、
ますます私に尻を寄せ付けてきたのです。
こうなりゃ尻を思いっきり揉んでみるかと
思い始めた私の欲望を遮るように
降車しなければいけない駅に着いてしまったのです。
このモヤモヤした気分を妻にぶつけて今夜はタップリ可愛がってやるか…
そんな事を思いながらホームを改札に向かって歩いていると、
不意に二の腕を掴まれたのでした。
驚いて振り返ると、先程まで私が尻を触っていた女性でした。
「あなた、私のお尻を触りましたよね?」
駅員に通報されるのか?
警察沙汰になるのか?
私のサラリーマン生活にピリオドが打たれるのか?
でも、でも…
彼女も満更ではなかったのではないか?
「あのね…したくなっちゃったの…」
「は?」
「もう!野暮ねえ…あのね、触られてセックスがしたくなったの!」
私は彼女が何を言ってるのか理解ができなかった。
だが、駅員に痴漢だと突き出す事はしないのだなとだけはわかった。
こんな小説のような出会いというのはアリなのか?
もしかしたらこのまま腕を組んで
駅前の交番にでも連れて行かれるのではないかと期待半分、不安半分だった。
駅前の繁華街を抜けると
彼女は路地裏に私を連れて行き
街灯の届かない暗がりで私に抱きつきキスをした。
そして私の股間に手を伸ばして半勃起しているイチモツを弄った。