短編集 一区間のラブストーリー
第5章 短編その五
「見えるかい?俺のモノが突き刺さっているのが」
「見える!見えるわ!
あなたの太いのが私の中に…」
彼女は挿入を楽しむかのように
キュッ、キュッとアソコを締めてくる。
なんとも心地良い体だった。
しかし、ジャングルのような剛毛の翳りが魅力を半減させる。
剃らして欲しいとピストンしながら囁いてみると
「ダメ…そんなことをしたら主人に怪しまれるわ」
主人というワードに私はまたまた興奮した。
今まさに私は人の女房を寝取っているのだ。
どこの誰かも知らない女とセックスする事がこんなにも気持ちいいとは…
『ほら、あんたの女房は俺のおちんちんを突っ込まれてよがっているぜ』
私は心の中でなんともいえぬ征服感に浸っていた。
さあ、今度はバックから入れてやるよ。
そう告げて体位を変えようとしたら、
「いやん…一度にいろんな事をしてしまうとこれから先の楽しみがなくなるわ」と言った。
これから先?
ではまた次があるってことかい?
「私はいつもあの時間の電車のあの車両に乗っているわ
あなたさえよければ私を見つけて誘って欲しいの…」
そんなのお安いご用だ。
彼女と落ち合って、
こうしてセックスできるのなら毎晩でも残業してあの電車に乗ってやる。
またこうしてランデブーしてセックス出来るのだと思う安心感で瞬く間に絶頂がやって来た。
「い、逝くよ!」
そう告げておちんちんを抜いて
外に出そうとしたが
彼女がそれを許さなかった。
「私、妊娠しないの!
だから中で…中に熱く白いモノを頂戴!」
女の言うことを真に受けて良いものかどうか、
判断を下す前に私のモノが爆発した。
ゴムなしで中に出ししたのはいつ以来だろう。
これこそがセックスの醍醐味だ。
私はおちんちんをピクピクさせながら
最後の一滴まで彼女に注ぎ込んだ。
彼女は名前も連絡先さえ教えてくれなかった。
でもそんなものは必要ない。
彼女を抱きたくなったときは、
あの電車のあの車両で彼女を見つければいいのだから。
私は、今夜もまた終電間近のあの電車で彼女を見つけ
尻を撫でている。
第五話 完