短編集 一区間のラブストーリー
第9章 短編その九
「お師匠はん今日は明るいお召しものやさかいにビックリしましたわ」
京都に住んで少しずつ覚えた京ことばで
翔太は言葉を返した。
「まあ…ビックリしたやなんて…
それは歳に似合わんベベ(着物)を着てるってことやろか?」
「いいえ!その逆ですがな…
ほんまによう似合うっとる」
「おおきに…翔太さん…
あんた無理して京ことばをつかわんかてええんどすえ…
ちょっとイントネーションが可笑しいわ」
『あ…やっぱり?』
やっぱりまだまだか…
そう思うと恥ずかしくて赤面してしまう。
「さあ…お座りやす…時間が勿体ないわ」
翔太は茶を点てる明日香の姿に見惚れていた。
年の頃はそろそろ四十路に差し掛かる頃だろうか
24歳の翔太にしてみれば
一回り以上も年上の女性であったが
その所作は色っぽく色白の肌に調った小顔に心臓が早鐘のように鳴った。
「いややわ~、翔太さん
さっきからうちの顔をジロジロと…」
「あ…!す、すいません!」
ジロジロと見ていたのは顔だけではなかった。
帯にのし掛かるような巨乳も、
茶釜の方を向いた時に見えた正座の尻の丸みをおびた膨らみも目を皿のようにして凝視していた。
それに先ほどから明日香の色気にやられたように
股間のイチモツがカチカチになってテントを張っていたのだ。
それを咎められたような気がして小便でもして滾るモノを鎮めようと思った。
「少し失礼します」
立ち上がろうとする翔太の手を
「どないしはったん?」と明日香がつなぎ止めた。
正座をしていて少し脚が痺れていたものだから
翔太の体はいとも簡単に崩れ落ちた。
いや、畳の上に崩れ落ちれば良かったのだが
事もあろうか師匠の明日香の体に覆い被さるように倒れ込んでしまった。
慌てて体を起こそうとした翔太の手のひらは
ムニュっとした感触に驚いた。
なんと翔太の手はしっかりと明日香の胸を揉んでいた。
「す、すいません!」
言葉では謝ってみたものの
下半身はますます滾ってしまって
太ももに硬いシンボルを感じた明日香は驚いた。
「ちょ…ちょっと翔太さん…」
明日香が体を起こそうと脚を崩したとき、
着物の裾が割れ
股間が露わになった。