短編集 一区間のラブストーリー
第2章 短編そのニ
目の前にはまっすぐな一本道が続いていた。
不倫相手である彼の運転は安心できる。
対抗車もなく、
私たちの前後にも走っている車はなかった。
だが彼はアクセルを踏み込むこともなく、
安全運転で、一定のスピードで走行してくれる。
高級車だから、乗り心地も最高だった。
このところ少し疲れ気味の私は
小さなあくびを噛み殺した。
「眠いのか?」
バレないように噛み殺したのに、
ちょっとした動作で彼にバレちゃったようだ。
「ううん…ごめんなさい…ちょっとね」
否定とも肯定とも受け取れる曖昧な返事で答える。
「そっか、随分遠くまで
ドライブしちゃったもんな。
疲れたんならシートを倒して寝ていいぞ」
そんな…彼が一生懸命に運転しているのに…
寝れるはずないわ。
「退屈なら、なあ…頼むよ…」
私の返事も待たずに、
私の手を取り股間に導く。
そこには立派に隆起した
男のシンボルが息を潜めていた。
「運転中に?」
「ホテルまで待てそうにないんだよ。
洗ってからずいぶんと時間が経っているからイヤか?」
ううん、そんな事はない。
彼の横顔を見つめ、
ニコッと笑顔を返して
ズボンのジッパーをゆっくりと下ろし始めた。
開いた穴に手を突っ込み
しっかりとシンボルを握りしめた。
『ああ…逞しいわ。
主人のモノと雲泥の差だわ』
私はシートベルトを外し
自分の身体を自由にすると、
彼の股間に顔を埋めた。
前開き部分の扉をゆっくりと弄り、
やがて辿り着く至宝のペニス。
それは肌の温もりを越えて
熱く熱く息づいている。
ソレは布地に引っかかり
なかなか出てくれなかったけど、
少し弓なりに反らして
やっとの思いで外気に晒してあげた。
クッキリと浮き出た血管…
ピンと張り詰めて
ツヤツヤしている褐色の亀頭と
それを支えているどす黒い茎…
先にある縦の裂け目からは
透明の粘り気のある汁が
ジュワ~と滲みでている。
私は薄い唇を開き、
艶かしく舌を出してその汁を舐め取った。
ソレは、私の手の中で
どんどん力を漲らせ、
口の中へ早く入れろと催促していた。