短編集 一区間のラブストーリー
第2章 短編そのニ
私はしばらくの間、ソレを観察し
見事な形状と色つやに見惚れていた。
「おい。頼むよ…」
我慢できずに彼が前方を見据えながら、
情けない顔をした。
「ほんとに、大丈夫なの?」
彼は安全運転第一だと言って街中では
運転中は決して片手運転をしなかった。
だから、乗車中は手を握りたくても
私はジッと我慢しなくてはならなかった。
そんな彼が、股間からソレをさらけ出し
私に愛撫しろと言うのだ。
よほど、溜まってるのかというと、
実は私たちは日帰り温泉の帰りで、
貸切浴場で、アソコが擦り切れるほど愛し合い、
洗い場で二度もエッチしたのだから、
溜まってるわけないのだ。
彼が欲情していたのは、
街を離れた解放感が
そういう行為を求めたのだろう。
「ほら、事故を起こさないとも限らないじゃない」
「こんな、人っ子ひとり歩いていない
真っ直ぐの一本道で?」
まあ、それもそうか。
たまに横断すると言えば
牛ぐらいのものだもんね。
じゃあ、お望み通りに…
私は薄い唇を開き、
艶かしく舌を出してその汁を舐め取った。
ソレは、私の手の中でどんどん力を漲らせ、
口の中へ早く入れろと催促していた。