🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第9章 本気の偽物
しかし、46の誕生日の前に――――若林 基樹は…死んだ。
信号のない場所を横断しようとした基樹と…通りかかった乗用車が衝突したのだ。
家から少し離れた場所での事故――――…
曲がり角で横断しようとしていた若林に気がつくのが遅れ――――…接触…
打ちどころが悪く…若林 基樹は…亡くなった。
横断歩道のない…場所での事故に――――…若林 基樹の過失もあったに違いない。
45歳と――――若くに亡くなった彼の贋作師としての人生は幕を閉じた。
そして、残された息子は…贋作師としての日影の人生がスタートしたのだ。
あれから3年…
若林 士郎は――――…
パトロン&愛人の
大門 底二郎(だいもん そこじろう)を殺すのだが…。
彼の父親の作った贋作…20点中…2点は…いまだに回収できていない。
「回収を呼び掛けて――――半年…いまだに…2点は行方不明…だよ…」
俺は、面会室の分厚いガラスに挟まれ座る…殺人犯の若林 士郎にそう呟く。