🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第10章 共に永遠に――――…
「ブレスレット…は…俺が海に捨てたんです」
「捨てた?」
大事そうに抱えていたブレスレットは…亜子さんから奥さんへのプレゼントだった…。
「モノを持たない主義の妻だったから……結婚指輪すら不要だと…贈ったのに一度もつけてもらえなかった……。
そんな事――――亜子だって知っていたはすなのに…。
旅行先で妻の誕生石がはまったブレスレットを見つけたからと…プレゼントしたんです」
「――――まさか…奥さんは…それを?」
男性は苦痛な表情を浮かべ…話を続けた。
「ええ――――…“ありがとう大事にするね”と、俺の目の前で手首に巻いたんです」
男性の贈ったの結婚指輪すらも身につけなかったミニマニストの奥さんは、なぜ…亜子さんから贈られた…ブレスレットを男性の目の前で着けてしまったのだろうか…。
「その頃には…もう、妻の気持ちは俺には無いことが分かっていたんです……けど――――…一度も身に着けられることのなかった…結婚指輪が不憫に思えて……」