🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第11章 囁く計画
俺は、残りの紅茶を飲み干し――――にやけ顔の店主のいる店を後にした。
「――――結婚かぁ~」
店を出て、ふと大門の入籍のことを思いだし呟いた。
俺は、結婚も出産も子育ても――――…諦めている人間だが…
他人のそう言う祝い事はちゃんと祝える人間だ。
いつか――――俺のことを誰かが分かってくれるのかな?
まっ、こんな仕事をしているうちは…無理だろうなぁ…と、空を見上げる。
「天気……いいなぁ――――」
さてと、事務所に帰ったらやることが沢山ある……米倉にも手伝ってもらわないと…
俺は、重い足取りで社に戻る――――…
ボスの存在は凄いと――――思うが…
俺の能力的にボスとは相性が悪い。
俺の力は――――“ノイズキャンセラー”相手の付く嘘が分かるのだ。
しかも、“嘘”も分かる声が雑音と一緒に耳に入ってくるのだ。
「愛してる」が嘘だった場合…
「愛してる「ガガガ…ビビビ…」と、言葉の上に…ノイズが走るのだ。
なので、小さい頃は耳鳴りが酷くて泣いていた。頭が痛くなる現象まで起き自分が壊れるのでは!?と、悩んだ思春期を乗り越えてここまで来たのだ。