
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第13章 再び眠れない
どこかで見たことのある…
黒く…汚れた――――…花鋏(はなばさみ)…
『――――皇輝(こうき)さんの……鋏?』
皇輝さんの部屋に…ピンクのリボンの隣に置いてあった…
“お爺さんの形見”として譲り受けた花鋏(はなばさみ)…に…似ている。
倒れている男性も鋏を持つ男性も…着物姿で…大広間といい生け花といい…和風の世界がなんとも異様に見えた。
『僕はね……兄さん――――貴方の自由な性格…が…大嫌いだったんです』
『――――…』
倒れている男性はピクリとも動かない…
が…したの畳が徐々に色を変えていく。
『貴方の目が――――片方見えなくなったと聞いたときは……やっと…やっと息が吸えると思ったのに……』
ガシャン――――…
生け花の隣に立つ男性が手から黒い花鋏を落とす。
