
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第15章 彼女の消えた日
「お、珍しいなぁ――――花の兄ちゃんがカウンターにいるなんて」
カウンターでおしぼりの準備をしていると、常連の川島(かわしま)さんが暖簾をくぐり店に入ってきた。
「今日も――――立派な生け花だなぁ~、圧巻じゃ!」
年寄り臭い言い方だが、毎回俺の生け花に感想を言ってくれるのは励みになる。
「あざっす――――今、未來ちゃん旅行中なんで…雑用してたっす」
「え!?ここ、何日か休みだと思っていたら――――旅行かぁ~!いいねぇ~」
自営業だと、店を閉めるタイミングを逃して…ついつい仕事をしてしまう――――と、旅行は久しくいっていないと川島さんはぼやく。
「行けるときに、行くのが一番だよ――――旅行は」
と、羨ましそうにおしぼりで手をふく。
