
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第15章 彼女の消えた日
そういえば…
俺は旅行と言う旅行は行ったことがない。
ボクシングの遠征だとか練習試合とか…
ボクシング絡みでの遠出はあるが――――…純粋な旅行はない…。
幼いときの記憶を――――と、思いながら記憶を遡ってみても…
「あ~…俺も旅行って…記憶にないっすね」
「ん?最近どころか……小さいときもないのか?両親が共働きで忙しい家だったのか?」
「そうっすね~…両親も祖父母も忙しい人たちだったので……俺は放置されてたっすね」
そう――――俺は…いつも…留守番。
逆に、真面目に花の勉強をしていた弟は、祖父の展覧会だの両親の勉強会など…連れていってもらえていた。
まぁ、連れていってくれると言われても――――断っていただろうから…
おれ自身が…あの人たちから逃げたんだろうなぁ。
堅苦しい――――…花の世界。
花自体は――――…あんなに華やかなのに…
生ける人々の…黒い感情や汚い人間関係は…
根本から腐っている。
