
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第18章 静かな憎悪が積もる…
「コーチ――――!お客様…?つ~か、話を聞きたいって!」
「はあ!?誰だ――――学生記者か?勘弁してくれよ……って、あんた…誰だ?」
60代半ばぐらいの男性が振り向き声をかけた学生にめんどう臭そうに答えたが――――俺の顔を見て知らぬ奴に警戒心をにじませた。
「他大学の偵察か?――――で、記者じゃなきゃ…大手のスカウトか?アイツが辞めてからスポンサーも離れて、まいってんだよ!」
俺はぼやきながらこちらへ来るコーチに頭を下げた。
「初めまして――――つかぬことをお伺いしますが…松原 皇輝(まつばら こうき)をご存じじゃないですか?数年前までボクシングを噛っていた…者だと噂で…」
「は?皇輝の――――…知り合いか?噛っていた?バカ言うな!大学チャンピオンの松原 皇輝を知らないボクシング関係者がいるかよ!誰だお前!皇輝はどこだ!あれから顔すら出さねぇで!」
――――は?
大学チャンピオン?兄の名を知らない人は…いない?
「あっ――――…知り合いと言うか…弟です。俺は松原 天輝――――…兄が今どこにいるか…知りたくて…」
「は?――――弟?アイツに弟がいたのか?つ~か、家族いたのか?天涯孤独の孤児かと思ってた!」
――――天涯孤独の…孤児って言い過ぎじゃ…?
