
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第18章 静かな憎悪が積もる…
もちろん――――大学に届けていた住所にも行ってみた…。
そこはまっ皿な更地になっていて…二年前に火災に巻き込まれて全焼したボロアパートがあったと言う。
火災をきっかけに大家はアパート経営を引退し息子夫婦に土地を譲り隠居したらしい。
それも、通りすがりの夫婦の話だ――――噂話止りだろう。
こうして…俺は兄の事を知っていく――――。
が、知らないことだらけで…
拳に力が入る。
――――何も知らなかった…何も…
出来の悪い兄の代わりに当主になることが決まっていた…。
中学も高校も――――大学だって…
何の不自由もなく通えていた。
欲しいものがあれば…追求されることなく与えてもらえ…
友人関係も同じレベルの金銭感覚、学力、お家柄の奴等とつるみ――――…女関係だって…“欲求不満”なんて感じたことなど今の今まで一度もないくらい…充実していた。
なのに――――…
