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🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️

第18章 静かな憎悪が積もる…


そのデタラメな生け花に、両親は激怒した――――が、祖父は「皇輝らしいな」と、笑っていた。



「いつか――――この作品に見合う場所を用意してやろう」



祖父は兄にそう言っていたのを思い出す――――…。



粗削りで…ただ生けただけの…流木の生け花は…



祖父の手で――――完成形へと導かれ…



今日のこの日に…



見合う場所で――――――――…発表された。




皆は祖父を称え――――…拍手喝采…。



あんなに否定していた両親ですら…「お祖父様!素晴らしい!」と、絶賛。



松原家のシンメトリーを代償する作品に、多くの記者たち…写真家達がカメラを向ける。



今年を代表する我が家の“生け花”と…なるのだろう。



俺は、兄の作品をここに連れてきた祖父の偉大さに――――…少しモヤモヤが薄れるのを感じた。



だが、



そんな事など知らぬ来賓や――――これが兄の作品を土台にしたものだと気づかない両親に…



怒りが込み上げる。



――――兄さんに…会いたい…




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