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🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️

第18章 静かな憎悪が積もる…


「相変わらず仕事が早いですね…川島さんは」


本明は早速他の作品も夫婦に見せた。


すると、夫婦は目を輝かせ生け花の写真を見ていた。




が――――…突然…



写真をスクロールする手が止まった。





「あなた……これ……って…」



「なんで――――…コイツが…?」



輝かせていた瞳は一瞬のうちに引き――――…大樹は唇を強く噛んでいた!


そして、妻の安子は徐々に――――…顔色が悪くなり…と、次には目に怒りの色をまとわせた。



「あの…どうされました?」


本明は夫婦の見つめる画面を覗く…



と、そこには――――


短髪の体格のいい――――ちょっと野口に似たような男性が生け花と一緒に写っていた。



「お知り合い――――ですか?」



本明は顔色を変えた二人にそう聞く――――が、二人は「違う!」と、強く否定した!



だが、ど~考えても…知り合いにしか感じ得ない言い方に…「嘘の下手な人たちだなぁ」と、心の中で笑った。


慌てるように二人は携帯を本明に返すと――――その場を離れていった。



「お導きがあったのでは…ないでしょうか…」


本明の後ろに控えていた朝比奈が耳打ちをする。


「どうだろうね…でも、あの人の狙いはこれだったのかな?とも…思うよね」


本明は朝比奈が差し出すグラスに視線を落とすと携帯をみた。


そこには、笑顔のカッコいい――――青年が生け花と一緒に写っているだけだった。



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