
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第19章 女神の覚醒
『え――――?』
歪んで聞こえるが…スーっと、耳に入ってきた声…
知っているけど…知らない声。
歪んで聞こえる…でも、
『なんで?』
『助けたいんだろ?……大丈夫…』
――――え?
『助けたい!でも!ず――――っと
無理だった!私は…死ぬ人を助けられない…』
『助けたじゃん……君が動いて――――…助けた人がいるでしょ?忘れたのか?』
――――は?私が…助けた?
そんなことは…一度もない…はず…
私は閉じていた目をゆっくりと開けた――――…
すると、視界の先――――…爆破でボロボロになった部屋の玄関にホワホワと変な発光をしている場所を見つける。
『光――――?』
一ヶ所…夢の中とは雰囲気の違う光をジーッと見つめる。
すると、それは――――…一輪の花?だった。
それは――――夢の中に一度も出てきたことのない…
不思議なオレンジの花だった。
『花?』
『大丈夫――――大丈夫…君は…助けたことがあるんだから…』
ゆらゆらと、揺れて…光る花を血まみれの部屋から眺めている。
『私が――――誰かを…助けた?…まさか…一度も成功した事が…ないのに…』
『ちゃんと――――助けたよ?』
ゆらゆら揺れる花が――――そう語っている気がした。
