🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第20章 興味のその先
すると、どうだろう――――
私に追い風が吹いた。
上田 四葉(うえだ よつば)との出会いで、彼女を手にいれる事が出来た。
そして、彼女の力を――――…私のために…使うこととなっている。
まぁ、彼女はそんなこと微塵も思っていなあいだろうが…。
――――それなのに…
おかしいなぁ…
“言霊”はちゃんと効いているはずだ。
頭痛で倒れた――――と、言うことは…脳の中で命令と意識がぶつかり合って異常をきたしていたのだろう。
目が覚めた時――――…暗示が勝つか…意識が勝つか…で、今後の対応が決まってくるだろう。
黒羽は…彼女を、
松原 皇輝(まつばら こうき)と関わらせたくないと思っているようだが…
“悪夢”で松原家に関する“死”が見えていたし…
【幸せの扉】が…松原君の弟と接触してしまったからなぁ……
関わらないわけには行かないと――――思うぞ?
さぁ、黒羽は…ど~するんだろうか…
「はい!お待ち――――…つ~か、川島(かわしま)さん!月子さんの親子丼好きっすね?」
「おっ、待ってました!
好きだよ~!お昼にこれを食べて――――午後も仕事を頑張る!もう、ルーティーンだよね!」
帝王ホテルの一角にある…看板のない…和食屋…
彼女の祖母に近づき――――彼女の様子を探るのが目的だったが…
あっという間に常連になってしまった…。
不動産屋と言う表の肩書きで――――ここ何年も“川島(かわしま)”を演じてきたが…
時折、このなんとも言えない昼の時間が心地よくなってきていた。
しかし、松原君と未來ちゃんがここで働き始めたのは……予想外であり、良い好機となった。
失敗もしたが――――…
私のための私の人生は…
順風満帆だ――――――――…
「最近、未來ちゃん見かけないけど…まだ、旅行?長くないかい?」
「そうっすよね?もう、俺――――未來ちゃん不足で……夢にまでちゃうんすよ~~川島さ~ん!日本一周って…どんくらいかかるもんっすか!?」
「は?未來ちゃん…日本一周の旅に出てるの?意外と大胆な子だね!」
――――さぁ、未來ちゃん…
私の“言霊”を自力で抜け出せるかな?