🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第29章 力の代償と神様
そんなある日――――…
月子さんの和食屋に、身なりを正された補聴器を着けた老人が店に現れた。
開店前に訪ねてきた男性は、川島のおっさんから全財産を譲られた“時田 道子(ときた みちこ)”の執事だと言う。
世界のトップだという“時田家”…
何世代も働かず遊んでいても…生きていけるくらいの資産や財産がある大富豪である。
そんな所の執事が…なぜ帝王ホテルの一角にある月子さんの店に来たのか…疑問である。
「開店前の忙しいし時間帯に申し訳ございません。
“言霊”以外の能力者がいると聞き興味と…検証をかねて訪ね歩いていました」
そう言い、老人は俺と未來ちゃんに…能力と、その能力の不便さを聞いてきた。
未來ちゃんは【予知夢】――――不便な点は、人の“死”の夢しか見ないこと、それと自分単独ではその夢を防ぐことは出来ないこと。
俺の力は、【物や人の記憶見る】――――不便な点は…視力のない右目でしか見られないこと。
俺が、ボクシングで怪我をしなければ…この能力は意味がなかった…
まるで、右目を代償にサイコメトリーの能力が開花したのだろう。
と、力には代償が有ることが…分かったらしい。
言霊使いの道子さまにも代償があるらしく……
能力者はその代償と共に力を使わないもいけない……らしい。
執事さんの話だと……川島のおっさんは能力者リストを“時田家”に譲渡したらしいが――――…「興味がない…」と、捨てたらしい。
それを、拾い――――老後の趣味として、能力者にあって…能力と代償を聞いているそうだ。