短編 姉と弟 世界で一番身近な女
第3章 姉との入浴
「大ちゃん、やさしいのね…」
紗希が甘えた声を出しながら、
大介の背中に寄りかかってきた。
「大ちゃん…」
「なんだい?姉ちゃん」
「お湯…ちょっと熱くない?」
その一言を残し、
姉の体が大介の背中を滑り
湯の中に落ちてゆく気配がした。
「お、おい!姉ちゃん!!」
酔って入浴してしまったので、
紗希はすっかりのぼせてしまったのだった。
あわてて紗希の体を抱きかかえ、
バスタブから引きずり出して
洗い場に寝かせてやった。
そしてバスルームのドアを開けて
涼しい風を送り込んであげた。
火照った体を
水で濡らしたタオルで拭って
クールダウンさせた。