短編 姉と弟 世界で一番身近な女
第3章 姉との入浴
「ほんとにもう出てけよ!」
甘い期待が消えるとともに、
勃起していたペニスも萎んでしまった。
「ごめんねえ…私がいけなかったのね…」
紗希の声が急にしおらしくなった。
そして、クスンと鼻をすする音がした。
「姉ちゃん、なにかあったのか?」
ただ酔っぱらっているのではないと
大介は察知した。
今までにも泥酔した姉の姿を
何度も目撃してきたが、
泣き上戸だったとは記憶にない。
「わたしね、ふられちゃった…
男をふったことはあるけど、
ふられるって…キツイね…」
そっか…
それでこんなに
酔っぱらうまで飲んできたのか…
たちまち大介は
姉がかわいい女に思えてきた。
「じゃあ、今夜は姉ちゃんが
スッキリするまで 俺が愚痴を聞いてやるよ」
大介の弟なりの気づかいだった。