もう推しとは言えない *番外編更新中
第21章 番外編 最後の○○
「そう。由香里ちゃんに卒業祝い兼バレンタインのお返しってことで、何か良い案ない?って聞かれたからね…花束だと枯れちゃったりするからプリザーブドフラワーにしたら?って。
可愛いし、女の子喜ぶよ〜って言っといたら、本当に作るって言うから、ちょっと驚いちゃった。」
そう、だったんだ…。
…どうしよう、すごく嬉しい…。
「…言わない約束だったじゃないですか。この嘘つき…」
「え〜、良いじゃない。うふふ、邪魔してごめんね?澤畠先生は遅れて来るって伝えとくわ〜。」
またねー、とゆるゆるした雰囲気で立ち去って行った益子先生…。
チラッと澤畠先生の方を見ると、少し恥ずかしそうに私から視線を逸らしていた。
「…澤畠先生が、作ってくれたんですか…?」
「…何あげたら喜ぶか、分からなかったから聞いただけです。
作ったと言っても…お店で、花とか色々選んであのボックスに詰めてくだけですし…。」
「それでも、作ってくれたことにはかわりないですよ。…ありがとうございます、澤畠先生。すごく嬉しいです。」
嬉しすぎて…笑みがこぼれるのと同時に、嬉し泣きしそう…。
「…あなたは、忙しいですね。顔赤くしたり、拗ねたり、笑ったり、泣いたり…」