もう推しとは言えない *番外編更新中
第21章 番外編 最後の○○
「…すみません、ズルいですね、私も…。まだ帰るな…ここにいてください。」
澤畠先生の、熱を帯びたような瞳にとらえられて…。
そんな風に言われたら、帰れるわけない…。
「はい…」
「少し、歩きませんか…?あ、その袋は、家に置いてきて良いですよ。」
「そうですね…分かりました。」
一旦家に戻り、先生からもらったものを丁寧に置く。
そしてまた、澤畠先生のところへ戻ると…、先生は車を私の家の近くにあったコンビニの駐車場に停めた。
外に出て…私の手をとる澤畠先生。
「椎名さん…もう一度しても良いですか?」
「っ…はい…」
ゆっくりと…優しく重なる、澤畠先生の唇。
今日何度目のキスなのか…もう数え切れない。
それでも…もっとして欲しくなる。
「…椎名さん。教えてください…、何でこんなにも、あなたを前にすると理性が効かなくなるのか…。
こんなに…自分の理性が脆くなったのは、あなただけです。」
ギュッと強く握られた手…それも、片方ではなく両方の手。
澤畠先生の、真っ直ぐで…どこか切なそうな、熱を帯びたような瞳が…ずっと私を見つめて離さない。
「せ、先生…」