もう推しとは言えない *番外編更新中
第22章 番外編 あなたと繋がる夜
二人は、仲良さげに私の家から出ていく。
「…あの、澤畠先生、」
「何か…少し久しぶりな気がしますね。元気でした?」
「あ、はい。…澤畠先生も、相変わらずですね。」
「そうですね…こうして後輩に扱き使われるのも、本当どうにかならないのか…困ったもんですな。」
少し失笑した澤畠先生。
後輩というのは、九嶋先生のことを言ってるのかな。
そういえば、真帆が澤畠先生と九嶋先生の出身大学が一緒って言ってたし。
かつ、二人とも数学科だし…後輩、というのもまぁ納得なのかも。
「…澤畠先生が良ければ、あがってください。何もないですけど、」
「じゃあ…失礼します。」
(うわ…澤畠先生が、私の家の中にっ…)
なんか興奮する。
…というか、今日の澤畠先生、いつもよりかっこいい気がするのは気のせい?
「あ…でも、椎名さんの親御さんとかは…」
「お姉ちゃんは都内の大学に通ってるので向こうに住んでますし…一人にしては広い家ですけど、私だけなので、大丈夫ですよ。」
「あ、そうなんですね。…とりあえず、お邪魔します。」
「ふふ、どうぞ。少し散らかってますけど…。」
もっと綺麗にしとけば良かった。