もう推しとは言えない *番外編更新中
第22章 番外編 あなたと繋がる夜
まぁ…もう仕方ないけど。
「そういえば…椎名さんの誕生日って、今日なんですね。おめでとうございます。」
「ありがとうございます。…まさか、今日澤畠先生に会えるなんて思ってなかったので…ビックリですけど嬉しいです。」
「…九嶋先生がもっと前もって言ってくれれば、何か用意は出来たんですけど…すみません。
まぁ、私にして欲しいこととかあれば…いつでも言ってください。」
「はい。」
また、キスしてください…って言ったら、先生はどうするんだろう?してくれるのかな…。
なんて、そんな迷惑はかけられないけど。
でも、こんなに…近くに澤畠先生がいるのに、何だか遠い気さえしてしまうのが悲しい。
「あ…あれ、飾ってくれてるんですね。」
「はい。結構綺麗ですし…あそこに飾れば帰ってきた時すぐ見えるので。」
「私も、実は…」
小さく笑って、澤畠先生はポケットからハンカチを取り出す。
「あ…使ってくれてるんですね。嬉しいです。」
「えぇ。ネクタイピンの方は、今日は別のものですが使わせてもらってますよ。」
「良かったです。先生の好み、分からなかったので…最悪捨てられても仕方ないかなぁって思ってたので。」