もう推しとは言えない *番外編更新中
第22章 番外編 あなたと繋がる夜
まぁ、コンクールで賞を取るような人達って本気でやってることが多いし…別に私は趣味感覚で、っていうのもあるけど。
「あ…そうだ、澤畠先生さえ良ければ…ピアノ連弾、してみませんか?」
「良いですよ。」
「じゃあ…ピアノのところに案内しますね、」
連弾用の楽譜、あった気がする。
お姉ちゃんとやった記憶があるし…。
ピアノのところに澤畠先生を案内して、椅子に座る。
二人で座ると、やっぱり距離が近くて…ドキドキする。
「何弾きます?というか…少しだけ指、慣らしても良いですか?」
「どうぞ。一旦どきますね。」
立ち上がって…椅子の隣に立つ。
…ピアノも弾けるだなんて、本当にズルすぎるくらいかっこいい。
指を慣らすと言っても…澤畠先生の指の動きはしなやかで、つっかかえたりしない。
…男の人がピアノ弾くと、何でこんなにかっこよく見えるんだろう…、澤畠先生だから、なのかな。
何か曲を弾いてるわけじゃなく、基礎練のようなもの。
でも…そうとは思えないくらい、澤畠先生の音に魅了される。
同じピアノを弾いてるとは思えないくらい…。
先生に見惚れていると、音に聞き惚れていると、先生は指を止めた。