白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第11章 新たな恋
里中先輩は僕の顔を見るなり
「あれえ~、
またまたH旅行の資金稼ぎなの~?」と
茶化してきた。
図星だったが、
はい、そうです。というのもマヌケなので
「違いますよ。
今回はちょっと気合を入れて
社会勉強です」と答えた。
「そんな見栄張らなくていいんだから。
H関係なら、なんでも相談に乗るからね」
そう言ってニコッと笑ってくれた。
いつもながら里中先輩の勘ってするどい。
バイトに明け暮れて2週間。
順調に資金が膨らんでいく。
この分なら来週あたりに
香織を誘って出かけられそうだ。
ある日、「ねえ帰り、お茶しない?」と
里中さんが声をかけてきた。
ちょうどよかった。
里中さんに
女の子が好きそうな旅行先とかを
聞いてみよう。
僕は二つ返事で誘いに乗った。