白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第11章 新たな恋
僕と里中先輩は
駅前の喫茶店でお茶をすることにした。
「で、旅行先は決まった?」
まただ、こちらから問いかける前に
先制攻撃された。
「どこか、女性が好きそうなとこ
知りませんか?」
「うーん、倉敷あたりはどう?」
「おしゃれなホテルとかありますかね?」
「あのねえ、
女の子は好きな男と一緒にいられるのなら、
しょぼいホテルでもかまわないの。
あんまりそういうとこから
攻めなくてもいいんじゃない?」
「でも、ムードって必要ですよね?」
「室内の力を借りずに
君がムードを演出してあげれば
いいんじゃないのかな?」
僕が演出?なんか邪魔くさいなあ。
「・・・・・今、邪魔くさいって
思ったでしょ」
「えっ?なんでわかるんですか?」
「順也くん、すぐ顔に出るから」
「そうかなあ」
「ひょっとしてHのときも
いろいろ顔に出してんじゃないの?」
「えっ?」
これまた図星かもしれない。
最近は香織の体の隅々まで
知ってしまってからは
付き合い始めたころの
新鮮さがなくなってきていた。
単調なSEXに飽き飽きしていた。
「SEXって頭を使うじゃないですか。
こう攻めて、次はこうしてとか・・・・・
邪魔くさいからどうしても
ワンパターンになっちゃうんですよねえ」
「それはね・・・倦怠期よ。」
「倦怠期?」
「きっとそうよ。
ずーと同じパートナーだから
新鮮味がなくなっているのよ」
「それは言えてるかも・・・」
その答えを待ってたかのように、
里中さんの目が妖しく輝いた。
「ねえ、私としない?気分転換で」