白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第12章 令嬢 緑川志保
「卑猥だとか思われがちですけど…
でも、男女の営みって本能ですよね。
男女が愛し合うことって
一番大切な部分だと思うんです。
その描写無くして恋愛小説は成り立たない。
僕はそう感じているんです」
少し力説してしまった。
「そうですね…私も官能小説って
ただ卑猥なだけだと思っていましたわ。
これからは偏見の目で見るのやめます」
そう言ってクスッっと笑ってくれた。
なんて笑顔のきれいな子なんだろう。
彼女とはフィーリングが合いそうだ。
トイレに立つタイミングまで同じだった。
トイレの前で彼女が僕に囁く。
「ねえ、このコンパ
そろそろ抜け出しません?
みなさん、お酒がかなり入って
言動が少し乱暴になってきましたもの…」
もとより
あまり気乗りしなかった僕だったので
おおいに賛成した。
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