白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第15章 熟女 文江
「いくわ!いくわ!
あああ、いく!いくぅ~!!」
「僕も!僕も!逝くよ!
いいかい?出すよ!」
思いっきり膣(なか)へぶちかます。
そして、つながったまま2人は眠りについた。
僕たちは毎晩、愛し合った。
まるで愛しあっている夫婦のように
一緒に風呂に入り、一緒の寝床に入った。
いつのまにか
官能小説の締め切りは過ぎていた。
しかし、後悔はなかった。
僕は文江を愛してしまったかもしれない。
このまま結婚してもかまわないと思った。
そして思い切ってプロポーズした。
彼女はプロポーズを
受けてくれると思っていた。
しかし彼女の答えはノーだった。
なぜ?
僕は文江を愛しているんだ!
彼女はやさしく微笑んでこう言った。
あなたにおばあちゃんになる私を
見せたくないから…
あなたが男性として
一番男盛りになるころには、
私は腰も振れなくなる。
私を愛してくれているのなら、
素晴らしい官能小説を書いて…
それが私の望み…
いつしか彼女は泣いていた。
数年後…
彼女は逝った。
癌だったのだ。
亡くなる前に彼女は言った。
おばあちゃんになる前に死ぬのなら、
あなたと結婚すればよかった。
文江の財産を僕は受け取った。
文江が僕に全てを与えると
遺言状をしたためていたのだった。
文江がいなくなった文江の部屋で、
僕は泣きながら小説を書いた。
彼女との愛の日々を実録小説にした。
その作品が世に認められた…