白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第4章 理恵の片思い
テニス部の夏合宿から帰ってきてから、
順也くんと里中先輩が
急に親密になった気がする。
それまでは、クラブが終わると
部室の前で順也くんが待っていてくれて
校門まで一緒に下校してくれたのに…
今では、彼の横にいるのは私じゃなく
里中先輩の役目となった。
なんか私、
順也くんに嫌われることしたのかな?
教室でも、
あまり口をきいてくれないし・・・。
理恵は自宅のベッドに横たわり
順也の事を考えていた。
順也くんは気付いていないんだろうけど、
私は順也くんの事が好き・・・
入学式でひと目みた瞬間から
恋に落ちちゃった。
クラスが同じで
席が隣りどうしになったときは、
この世に神様っているんだと思った。
『私、テニス部に入ろうかなあ』って
言ったとき、
『そうなの?・・・
実は僕も入部しようかなあ・・って
考えてたとこ』って言ってくれたときは、
てっきり私に合わせてくれてるのかなあとか、
私のことを好いてくれて
同じクラブを選んでくれたのかなあとか
思っちゃったりして・・・
私、自惚れてたのかなあ。